久ケ原スイミングクラブ  

管理栄養士コラム

2018.02.13 健康寿命の延伸と食生活②
何をどれだけ食べたらよいか
食事の中心となる主菜:肉、魚、卵、大豆製品(たんぱく源)

主食・主菜・副菜料理を組み合わせる和食文化は、健康維持増進の観点からも理想的な食事スタイルと考えられています。前回、近年の日本人の食生活におけるたんぱく質摂取量は、男女問わず若年層から高齢層まで幅広い層で減少傾向にある1)ことをご紹介しましたが、今回は主食、主菜、副菜の役割に触れながら、いつまでも自分の足で歩くための筋肉量を確保し、健康寿命を延ばす上でも大切な主菜(たんぱく質)の食べ方について考えたいと思います。

まず「主食」の主材料は穀類で、ごはん、パン、麺類などがこれにあたり、炭水化物を多く含みエネルギー源になります。「主菜」の主材料は、肉、魚、卵、大豆製品で、主にたんぱく質を含んでいます。たんぱく質は、筋肉量を増やし、筋力を高める上で大切であることは前回お話ししたとおりです。「副菜」の主材料は、緑黄色野菜やその他の野菜、きのこ類、海藻類などで、ビタミンやミネラルなどを多く含み、からだの調子を整えます。1日3回の食事に、「主食」、「主菜」、「副菜」をそろえ、乳製品や果物を組み合わせると必要な栄養素をバランスよく摂ることができるのです。

さて、今回の主題である主菜;たんぱく質を多く含む食品は、肉、魚、卵、大豆製品と牛乳が挙げられます。たんぱく質は、筋肉・内臓・皮膚など、ひとのからだのいろいろな部分を作るのに欠かせない栄養素で、約20種類のアミノ酸からできています。そのうち、ひとのからだに必要でありながら体内でつくることのできないものを必須アミノ酸(9種類)といい、食事からとる必要があります。たんぱく質の価値を表す指標でもあるアミノ酸スコアは、必須アミノ酸をどれほど多くバランス良く含んでいるかを評価したスコアです。卵や牛乳、肉(牛、鶏、豚)、魚(さけ、まぐろなど)は、高スコアとされていますが、特定の食品に偏ることなく、いろいろな食品を組み合わせて食べることが大切です。

たんぱく質源の摂り方(一例)として、朝:納豆小1パック、卵1個、牛乳200ml、昼:魚1切れ(70g)、夜:薄切り肉3,4枚程度の食事の場合、およそ60g弱のたんぱく質を摂取することができます。たんぱく質摂取量については、日本人の食事摂取基準(2015年版)2)では、18歳以上の男性の推奨量60g/日、女性の推奨量50g/日としていますが、筋肉量増加を期待するならば、これ以上のたんぱく質摂取が必要と言われています(参考:主食となるご飯の中にもたんぱく質(ご飯100g中にたんぱく質2.5g、茶碗1杯150gで3.8g)が含まれることから、主食摂取量の多少によっても、たんぱく質摂取量に個人差が生じます)。

今回は食事の中心となる主菜:肉、魚、卵、大豆製品(たんぱく源)を中心にお話ししましたが、筋肉量を増やし、筋力を高めるためにはたんぱく質のみならず、エネルギー源となる炭水化物や脂質の摂取も大切です。メタボにもやせ過ぎにならないよう、「主食」「主菜」「副菜」をそろえて、バランスよく食べることで、健康を守りましょう。

【参考資料】
1) 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
2) 平成28年「国民健康・栄養調査」の結果

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