久ヶ原スイミングクラブ  

管理栄養士コラム

2016.05.06 ロコモと2025年問題

初夏のさわやかな季節が到来しました。お子様にとっては、運動会のシーズンかもしれませんし、大人にとっては運動を始めるのにぴったりの時期です。からだを適度に動かすと、肉体はもちろん、ココロも頭もシャキッとして、リフレッシュすることもできますね。今回は近年注目されているキーワード “ロコモティブシンドローム”と2025年問題 についてです。

団塊の世代が75歳以上となる2025年には、日本においては3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上というかつて経験したことのない高齢社会を迎え、高齢者人口は全人口の約30%に達すると推計されています。人口の高齢化が進むことによって懸念される問題として、要介護(要支援)認定者数の急増が挙げられ、これからの社会は、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間;健康寿命をいかに延伸するかが重要課題 と考えられています。

介護が必要になる主な原因として、5人に1人が「骨折・転倒」、「関節疾患」など運動器の障害 であることが明らかにされており、寝たきりにならないためには、運動器の障害を予防することが大切と考えられています。近年注目されているキーワード“ロコモティブシンドローム”は、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗鬆症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになる、またはそのリスクの高い状態を表す言葉で、国をあげてその予防対策に乗り出しているところです。

骨折の予防には、骨量の維持および筋力の増強(筋肉量の低下を抑える)が重要で、食事と運動のバランスが重要 と言われています。特に、食事からのエネルギー(カロリー)摂取量が不足すると、たんぱく質の利用効率が低下し骨量や筋肉量の低下を招くことから、食事からしっかり必要なエネルギーを確保することは、骨折予防の観点からも大切なのです。

メタボリックシンドロームについては、よく耳にする方も多く、太り過ぎは健康によくない、という概念は定着しつつありますが、やせ過ぎも骨や筋肉の量が減ってしまうことから、メタボややせ過ぎにならないように 食事に気をつけることが大切です。そのためには、いろいろな食品をバランスよく食べることが重要で、以下の10項目(1.肉, 2. 魚 3. 卵, 4. 大豆・大豆製品, 5. 牛乳・乳製品, 6. 緑黄色野菜, 7. 海藻類, 8. いも, 9. 果物, 10. 油を使った料理);について、できるだけ毎日まんべんなく食べるように心がけると、骨や筋肉量が維持され、栄養状態も良好な状態で保たれると考えられています。

また運動については、新たに何か運動を始めることももちろん大切ですが、歩行速度を意識して速く歩く、お買い物には車が便利ではありますが、少し重たい荷物(買い物袋)を持って15分歩く、など、ふだんの生活の中で少し意識して身体を動かすことも立派なトレーニングになると思います。健康は日々の生活習慣の積み重ねによってつくられるものです。まずは毎日の生活:食事と運動について見直すこと、そして食事でも運動でも日々の生活の中で今日からできること(毎日駅まで歩こう、朝食は毎日食べよう、など)を見つけて始めることは、将来の健康につながる第一歩かもしれません。

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