久ヶ原スイミングクラブ  

上級水泳教師北原道宏先生の「スイミングコラム」

楽しさこそ成長の源

子供は自ら成長する能力を持つ
 最近では、小中高校生と同様に幼児教育の一環として学習塾に通うケースもみられるようになりました。様々な体験の中の一つととらえていればいいのですが、勉強だけできればいいという考えで通わせる場合は学習範囲が狭くなる可能性があります。元来、人間の子供は他の哺乳類と違って成長のために長い期間を必要とします。そして成長するにあたり、親や周りの人の教育環境に支えられて成長をしていくと同時に、遊びという作業によって自ら成長を図っていくと考えられます。

遊びは成長のきっかけ作り
 子供は生きていくために常に新しいことに興味を示し体験していきます。そしてその体験は「遊び」という手段を通じて心身を育みます。遊びは本人が楽しいと感じることにより、繰り返し行われます。遊びに熱中する中で新たな発見、創意工夫、集中力の向上、達成感、驚嘆、落胆、成功、失敗など成長に必要な経験を積み重ねます。遊んで楽しむという感情を成長のきっかけに利用していると言えます。

好きこそものの上手なれ
 特に楽しいと思う遊びは我を忘れて熱中し、一生懸命集中します。楽しいという感情は繰り返し行うということにつながるので、完成度に対して様々な感情体験を得ることができます。
 よく「好きこそものの上手なれ」といいます。個人の興味は千差万別なので、なぜそんなことに熱中するの?と思うこともあるかもしれませんが、好きなことに熱中するという体験が、その子の将来の職業や趣味に大きく関わることがあると思いますので、危険なことや社会的に規則違反なこと以外、できる限り「やってはいけません」という制限をしないで、子供の好きな遊びの時間を作ることが望まれます。

大人の努め
 大人は、子供が熱中し楽しみながら成長するという遊びの行動を活用し、積極的に子供の遊ぶ環境を作ってあげる役割を果たすことが大切と思います。しかしそれは好き勝手に楽しませるということでなく、社会的に問題のある遊びを避けて、子供の人格形成に関連した遊びの場を提供する配慮があればと思います。運動はもちろんですが、学習塾も気に入った楽しいものであれば一つの遊び事になるかもしれません。子供が常に大人の意のままに行動するとは限りませんので、基本は本人の気に入った遊び事を尊重していくと良いのではないかと思います。


平成28年6月吉日
北原道宏

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