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手遅れになる前に 思春期に肥満していると生がい肥満かも
 子どものころに太っていると、太った大人になる可能性がとても高くなります。おまけに、やせにくい体質にもなります。
 成長期には、身体を作っている細胞はさかんに分裂をくり返し、細胞の数が増え、身体を大きくしていきます。大人になると、細胞分裂の速度は低下し、ケガや病気などで身体を修復しなければならないとき以外では、あまり細胞分裂をしなくなってしまいます。
 このため、「エネルギーの貯ぞう庫である体脂肪の細胞も、成長期に太ると、分裂がさかんになり、脂肪細胞の数が増加してしまうため、大人になってから減量しようとしても、一度増えてしまった脂肪細胞の数は減らないために、やせることができない。」と最近まで言われてきました。ところが、最近の研究結果は、大人になってからも、肥満すると脂肪細胞の数は増えるため、必ずしも、このことは正しくないと考えられるようになってきています。

 ところが、同時に、思春期までに肥満していた子どもは、そうでない子どもと比べて、大人になってからも太っている割合が高いことも分かっています(図1)。この原因としては、子どものころに肥満することによって、太りやすい体質になってしまうことや、太りやすい生活習慣が身に付いてしまうことなどが考えられていますが、まだはっきりはしていません。しかし、原因はいずれにしても、子どものうちに健康的な食習慣と運動習慣を身に付けなければならないことに違いはありません。

図1 子どもの肥満が成人肥満のつながる確立

脂肪細胞の数が増えやすい時期

 最近では、脂肪細胞の一部は一生を通じて常に増えていると考えられていますが、多くの脂肪細胞では、それらが増える時期は主として以下のような3つの時期であることが明らかになっています。

妊娠末期 
 妊娠中の母親がエネルギーを摂りすぎると、胎児の脂肪細胞数が増える。
生後1カ年 
 この間の脂質・糖質を主としたエネルギーの摂りすぎも、乳児の脂肪細胞数を
 増やす。
思春期 
 この時期も、脂質・糖質を主としたエネルギーの摂りすぎにより、脂肪細胞数が
 増える。

 以上の時期に、脂質・糖質を摂りすぎると、脂肪細胞の分裂がさかんになって脂肪細胞が増えすぎ、脂肪細胞増殖型肥満におちいることになります。また、動物実験では、妊娠初期に、妊娠中の母親が十分なエネルギーを摂ることができないときも、胎児の脂肪細胞が増えやすいことが示されています。


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